大使挨拶

令和7年1月17日
アゼルバイジャンの魅力を日本へ! そして世界に!
 
2023年の12月に当地に着任し、日々、アゼルバイジャンの豊かな文化、美しい自然、そしてあたたかな人々に囲まれながら、両国関係の発展に貢献できることを嬉しく思います。バクーをはじめ、これまで仕事やプライベートでの旅行も含め多くの地方を訪れる機会にも恵まれ、アゼルバイジャンの様々な魅力に気づかされる毎日です。
 
私は、30年以上にわたり、総務省で情報通信行政に携わってきました。誰でも、どこでも、言語の壁もなくコミュニケーションできる社会、ブロードバンドなデジタル社会の実現に向けて取り組んできました。この経験も活かしながら、アゼルバイジャンの発展に向けて貢献していきたいと思っております。
 
アゼルバイジャンは、紀元前から文明の十字路として多民族が行き交い、豊かで味わい深い文化が育まれてきました。 バクーやシェキの世界遺産に登録された旧市街や建造物など、各地に多くの歴史遺産があります。カスピ海や雪を頂くコーカサス山脈など、自然の魅力にも満ち溢れています。 石榴(ザクロ)を始めとする果物・野菜、 羊肉、キャビア、地元ワインなど、食材は豊かで美味しく、コーカサスの美しい自然とともに、この国の大きな魅力となっています。
 
経済に目を転ずると、バクー油田で古くから有名な石油産業に加え、経済社会のデジタル変革や脱炭素化の推進、 産業多角化、周辺国への広域物流拠点構想、人材育成など、新たな経済社会の構築に意欲的に取り組んでいます。
 
特に、エネルギー資源産出国でありながら、グリーン成長への意欲的な取組を見せるアゼルバイジャンでのCOP29の開催は、今後のグリーン社会構築に向けた重要なステップとなりました。あらためて、そのホストとしてCOP29を成功に導いたアゼルバイジャン政府に敬意を表すとともに、こうした新たな分野においても日本とアゼルバイジャンで手を取りながら、「脱炭素社会」の早期の実現に向け努力を続けていけたらと思います。日本企業によるグリーン分野におけるプロジェクト実施や投資等、両国間の経済活動の更なる活性化に繋がることにも期待しています。
 
また、アゼルバイジャンの人々はとても親日的で、日本人の国民性や経済社会に対する良いイメージを抱いてくれています。 日本食や伝統文化、アニメ・ 漫画、コスプレ等への関心も 高く、柔道、空手、 合気道等の武道も盛んです。
 
これまで、我が国とアゼルバイジャンは、様々な分野での関係を発展させてきました。今後両国の協力・友好関係がさらなる発展を遂げることが出来るよう努めてまいります。また、文化交流や人の交流は、両国が将来長きにわたり良好な関係を築く基盤です。これまでの両国の交流をいっそう増進させていくため、関係者の方のお力添えもいただきながら、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 
そのほか、観光分野も両国の関係を発展させていく可能性を秘める分野として注目しています。パンデミックの収束以降、日本を訪れるアゼルバイジャンの方々が急速に増えています。ぜひとも、より多くのアゼルバイジャンの方々に日本を知ってもらいたいと思う一方、日本の方々にも素晴らしいアゼルバイジャンの魅力について知ってもらいたいと思います。そのためには、まずはアゼルバイジャンの魅力を、日本を含む世界に向けて積極的に発信していくことが重要です。放送コンテンツやソーシャルメディアを利用した発信、観光イベントや観光関係者に向けたツアーの実施等、両国の観光促進に向け、可能な協力について模索していきたいと思います。
 
日本とアゼルバイジャンの関係には、まだまだ多くの可能性が秘められています。2025年に日本で開催される大阪・関西万博には、アゼルバイジャンもパビリオンを設け参加することが予定されており、6月5日がアゼルバイジャンのナショナルデーとなっています。こうした機会も通じ、両国の交流が一層進むことが期待されます。今後の日・アゼルバイジャン関係のさらなる発展を願うとともに、その実現のため力を注いでいきたいと思います。
 
2025年1月
駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使
渡辺克也